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種苗法と植物の保護 -2021年01月14日

種苗法は、植物の新品種を保護するための法律で、育成車検を取得するための手続きや、権利の効力について規定しています。

1991年に改正された植物新品種の保護に関する国際条約(UPOV条約)に基づき、種苗保護の国際的調和の観点から、旧法を改め、平成10年法律第83号として成立した法律です。

植物の新たな品種(花や農産物等)の創作をした者は、新品種を登録することにより、新品種を育成する権利(育成者権)を占有することができるとされており、特許権等の知的財産権と類似する制度となっています。

種苗法における育成者権については、他の知的財産権と同様に、アジア等における海賊版の農産物の流出、無断栽培・繁殖が問題となっています。栃木県が育成したいちごの「とちおとめ」などが、中国や韓国などで無断で栽培されるなど、育成者権の侵害対策の強化が必要です。

植物の新品種の保護に関する国際条約(UPOV条約)

植物の新品種の保護に関する国際条約(英: International Convention for the Protection of New Varieties of Plants、仏: Convention internationale pour la protection des obtentions végétales)は、1961年にパリで作成され、1991年に改正された国際条約です。
植物新品種保護国際同盟(Union internationale pour la protection des obtentions végétales)の略称から、UPOV条約として知られています。

UPOV条約は、植物の新品種を育成者権という知的財産権として保護することを定めています。
植物新品種の保護の水準等について国際的なルールを定めたものです。


* 参考
UPOV条約詳細

種苗法

種苗法では、下記の用語が定義されています。

農林水産植物
農産物、林産物及び水産物の生産のために栽培される種子植物、しだ類、せんたい類、多細胞の藻類その他政令で定める植物

品種
重要な形質に係る特性の全部又は一部によって他の植物体の集合と区別することができ、かつ、その特性の全部を保持しつつ繁殖させることができる一の植物体の集合

種苗
植物体の全部又は一部で繁殖の用に供されるもの

品種登録の要件

種苗法第3条では、下記のように規定されています。
次に掲げる要件を備えた品種の育成をした者、またはその承継人(育成者)は、その品種についての登録(品種登録)を受けることができます。
なお「育成」とは、人為的変異または自然的変異に係る特性を固定し、または検定することをいいます。

1 品種登録出願前に日本国内又は外国において公然知られた他の品種と特性の全部又は一部によって明確に区別されること。
2 同一の繁殖の段階に属する植物体のすべてが特性の全部において十分に類似していること。
3 繰り返し繁殖させた後においても特性の全部が変化しないこと。

品種登録出願または外国に対する品種登録出願に相当する出願に係る品種につき、品種の育成に関する保護が認められた場合には、その品種は、出願時において公然知られた品種に該当するに至ったものとみなされます。

品種登録は、品種登録出願に係る品種(出願品種)の名称が、次のいずれかに該当する場合には、受けることができません(種苗法第4条)。

1 一の出願品種につき一でないとき。
2 出願品種の種苗に係る登録商標又は当該種苗と類似の商品に係る登録商標と同一又は類似のものであるとき。
3 出願品種の種苗又は当該種苗と類似の商品に関する役務に係る登録商標と同一又は類似のものであるとき。
4 出願品種に関し誤認を生じ、又はその識別に関し混同を生ずるおそれがあるものであるとき(前二号に掲げる場合を除く。)。

品種登録は、出願品種の種苗または収穫物が、日本国内において品種登録出願の日から一年さかのぼった日前に、外国において当該品種登録出願の日から四年(永年性植物として農林水産省令で定める農林水産植物の種類に属する品種にあっては、六年)さかのぼった日前に、それぞれ業として譲渡されていた場合には、受けることができません。
ただし、その譲渡が、試験若しくは研究のためのものである場合又は育成者の意に反してされたものである場合は例外とされます。

品種登録出願

種苗法第5条では、下記のように規定されています。

品種登録を受けようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した願書を農林水産大臣に提出しなければなりません。

1 出願者の氏名又は名称及び住所又は居所
2 出願品種の属する農林水産植物の種類
3 出願品種の名称
4 出願品種の育成をした者の氏名及び住所又は居所
5 前各号に掲げるもののほか、農林水産省令で定める事項

願書には、農林水産省令で定めるところにより、農林水産省令で定める事項を記載した説明書及び出願品種の植物体の写真を添付しなければなりません。

育成者が二人以上あるときは、これらの者が共同して品種登録出願をしなければなりません。

同一の品種又は特性により明確に区別されない品種について二以上の品種登録出願があったときは、最先の出願者に限り、品種登録を受けることができます(種苗法第9条)。

品種登録出願が取り下げられ、又は却下されたときは、その品種登録出願は、前項の規定の適用については、初めからなかったものとみなされます。

育成者でない者がした品種登録出願は、第一項の規定の適用については、品種登録出願でないものとみなされます。

農林水産大臣は、品種登録出願を受理したとき(前条第一項の規定により品種登録出願の補正をすべきことを命じた場合にあっては、その補正が行われたとき)は、遅滞なく、次に掲げる事項を公示して、その品種登録出願について出願公表をしなければなりません(種苗法第13条)。

1 品種登録出願の番号及び年月日
2 出願者の氏名又は名称及び住所又は居所
3 出願品種の属する農林水産植物の種類
4 出願品種の名称
5 出願公表の年月日
6 前各号に掲げるもののほか、必要な事項

出願品種の審査


審査手続

農林水産大臣は、出願者に対し、出願品種の審査のために必要な出願品種の植物体の全部または一部その他の資料の提出を命ずることができます(種苗法第15条)。

農林水産大臣は、出願品種の審査をするに当たっては、その職員に現地調査を行わせ、または国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構に栽培試験を行わせるものとします。
ただし、出願品種の審査上その必要がないと認められる場合は、この限りではありません。

農林水産大臣は、現地調査を関係行政機関、学校その他適当と認める者に依頼することができます。

栽培試験の項目、試験方法その他栽培試験の実施に関して必要な事項は、農林水産省令で定められます。

研究機構は、農林水産大臣の同意を得て、栽培試験を関係行政機関、学校その他適当と認める者に依頼することができます。

農林水産大臣は、栽培試験の業務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、研究機構に対し、当該業務に関し必要な命令をすることができます。

名称の変更命令

農林水産大臣は、出願品種の名称が第四条第一項各号のいずれかに該当するときは、出願者に対し、相当の期間を指定して、出願品種の名称を同項各号のいずれにも該当しない名称に変更すべきことを命ずることができます(種苗法第16条)。

農林水産大臣は、出願公表があった後に、前項の規定により名称が変更されたときは、その旨を公示しなければなりません。

品種登録

農林水産大臣は、品種登録出願につき前条第一項の規定により拒絶する場合を除き、品種登録をしなければなりません(種苗法第18条)。

品種登録は、品種登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとされています。

1 品種登録の番号及び年月日
2 品種の属する農林水産植物の種類
3 品種の名称
4 品種の特性
5 育成者権の存続期間
6 品種登録を受ける者の氏名又は名称及び住所又は居所
7 前各号に掲げるもののほか、農林水産省令で定める事項

農林水産大臣は、品種登録をしたときは、当該品種登録を受けた者に対しその旨を通知するとともに、農林水産省令で定める事項を公示しなければなりません。

育成者権とその効力

育成者権の発生及び存続期間

育成者権は、品種登録により発生します(種苗法第19条)。
育成者権の存続期間は、品種登録の日から二十五年(第四条第二項に規定する品種にあっては、三十年)とされています。

育成者権の効力

育成者権者は、品種登録を受けている品種(登録品種)及び当該登録品種と特性により明確に区別されない品種を業として利用する権利を専有します。
ただし、その育成者権について専用利用権を設定したときは、専用利用権者がこれらの品種を利用する権利を専有する範囲については、この限りではありません(種苗法第20条)。

登録品種の育成者権者は、当該登録品種に係る次に掲げる品種が品種登録された場合にこれらの品種の育成者が当該品種について有することとなる権利と同一の種類の権利を専有します。
専用利用権者が権利を専有する範囲については、この限りではありません。

1 変異体の選抜、戻し交雑、遺伝子組換えその他の農林水産省令で定める方法により、登録品種の主たる特性を保持しつつ特性の一部を変化させて育成され、かつ、特性により当該登録品種と明確に区別できる品種

2 その品種の繁殖のため常に登録品種の植物体を交雑させる必要がある品種

育成者権の効力が及ばない範囲

育成者権の効力には、例外規定があります(種苗法第21条)。
例外の主なものは、下記の通りです。

1 新品種の育成その他の試験又は研究のためにする品種の利用
2 登録品種(登録品種と特性により明確に区別されない品種を含む)の育成をする方法についての特許権を有する者またはその特許につき専用実施権若しくは通常実施権を有する者が、当該特許に係る方法により登録品種の種苗を生産し、種苗を調整し、譲渡の申出をし、譲渡し、輸出し、輸入し、もしくはこれらの行為をする目的をもって保管する行為
3 前号の特許権の消滅後において、同号の特許に係る方法により登録品種の種苗を生産し、または当該種苗を調整し、譲渡の申出をし、譲渡し、輸出し、輸入し、若しくはこれらの行為をする目的をもって保管する行為
4 前二号の種苗を用いることにより得られる収穫物を生産し、譲渡もしくは貸渡しの申出をし、譲渡し、貸し渡し、輸出し、輸入し、またはこれらの行為をする目的をもって保管する行為
5 前号の収穫物に係る加工品を生産し、譲渡もしくは貸渡しの申出をし、譲渡し、貸し渡し、輸出し、輸入し、またはこれらの行為をする目的をもって保管する行為

差止請求権

育成者権者または専用利用権者は、自己の育成者権または専用利用権を侵害する者、または侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができます(種苗法第33条)。

育成者権者または専用利用権者は、前項の規定による請求をするに際し、侵害の行為を組成した種苗、収穫物若しくは加工品または侵害の行為に供した物の廃棄その他の侵害の予防に必要な行為を請求することができます。

育成者権者または専用利用権者は、育成者権の侵害により生じた損害の賠償請求をすることができます(民法第709条)。

審査手続

農林水産大臣は、出願者に対し、出願品種の審査のために必要な出願品種の植物体の全部または一部その他の資料の提出を命ずることができます(種苗法第15条)。

農林水産大臣は、出願品種の審査をするに当たっては、その職員に現地調査を行わせ、または国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構に栽培試験を行わせるものとします。
ただし、出願品種の審査上その必要がないと認められる場合は、この限りではありません。

農林水産大臣は、現地調査を関係行政機関、学校その他適当と認める者に依頼することができます。

栽培試験の項目、試験方法その他栽培試験の実施に関して必要な事項は、農林水産省令で定められます。

研究機構は、農林水産大臣の同意を得て、栽培試験を関係行政機関、学校その他適当と認める者に依頼することができます。

農林水産大臣は、栽培試験の業務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、研究機構に対し、当該業務に関し必要な命令をすることができます。

名称の変更命令

農林水産大臣は、出願品種の名称が第四条第一項各号のいずれかに該当するときは、出願者に対し、相当の期間を指定して、出願品種の名称を同項各号のいずれにも該当しない名称に変更すべきことを命ずることができます(種苗法第16条)。

農林水産大臣は、出願公表があった後に、前項の規定により名称が変更されたときは、その旨を公示しなければなりません。

品種登録

農林水産大臣は、品種登録出願につき前条第一項の規定により拒絶する場合を除き、品種登録をしなければなりません(種苗法第18条)。

品種登録は、品種登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとされています。

1 品種登録の番号及び年月日
2 品種の属する農林水産植物の種類
3 品種の名称
4 品種の特性
5 育成者権の存続期間
6 品種登録を受ける者の氏名又は名称及び住所又は居所
7 前各号に掲げるもののほか、農林水産省令で定める事項

農林水産大臣は、品種登録をしたときは、当該品種登録を受けた者に対しその旨を通知するとともに、農林水産省令で定める事項を公示しなければなりません。

育成者権とその効力

育成者権の発生及び存続期間

育成者権は、品種登録により発生します(種苗法第19条)。
育成者権の存続期間は、品種登録の日から二十五年(第四条第二項に規定する品種にあっては、三十年)とされています。

育成者権の効力

育成者権者は、品種登録を受けている品種(登録品種)及び当該登録品種と特性により明確に区別されない品種を業として利用する権利を専有します。
ただし、その育成者権について専用利用権を設定したときは、専用利用権者がこれらの品種を利用する権利を専有する範囲については、この限りではありません(種苗法第20条)。

登録品種の育成者権者は、当該登録品種に係る次に掲げる品種が品種登録された場合にこれらの品種の育成者が当該品種について有することとなる権利と同一の種類の権利を専有します。
専用利用権者が権利を専有する範囲については、この限りではありません。

1 変異体の選抜、戻し交雑、遺伝子組換えその他の農林水産省令で定める方法により、登録品種の主たる特性を保持しつつ特性の一部を変化させて育成され、かつ、特性により当該登録品種と明確に区別できる品種

2 その品種の繁殖のため常に登録品種の植物体を交雑させる必要がある品種

育成者権の効力が及ばない範囲

育成者権の効力には、例外規定があります(種苗法第21条)。
例外の主なものは、下記の通りです。

1 新品種の育成その他の試験又は研究のためにする品種の利用
2 登録品種(登録品種と特性により明確に区別されない品種を含む)の育成をする方法についての特許権を有する者またはその特許につき専用実施権若しくは通常実施権を有する者が、当該特許に係る方法により登録品種の種苗を生産し、種苗を調整し、譲渡の申出をし、譲渡し、輸出し、輸入し、もしくはこれらの行為をする目的をもって保管する行為
3 前号の特許権の消滅後において、同号の特許に係る方法により登録品種の種苗を生産し、または当該種苗を調整し、譲渡の申出をし、譲渡し、輸出し、輸入し、若しくはこれらの行為をする目的をもって保管する行為
4 前二号の種苗を用いることにより得られる収穫物を生産し、譲渡もしくは貸渡しの申出をし、譲渡し、貸し渡し、輸出し、輸入し、またはこれらの行為をする目的をもって保管する行為
5 前号の収穫物に係る加工品を生産し、譲渡もしくは貸渡しの申出をし、譲渡し、貸し渡し、輸出し、輸入し、またはこれらの行為をする目的をもって保管する行為

差止請求権

育成者権者または専用利用権者は、自己の育成者権または専用利用権を侵害する者、または侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができます(種苗法第33条)。

育成者権者または専用利用権者は、前項の規定による請求をするに際し、侵害の行為を組成した種苗、収穫物若しくは加工品または侵害の行為に供した物の廃棄その他の侵害の予防に必要な行為を請求することができます。

育成者権者または専用利用権者は、育成者権の侵害により生じた損害の賠償請求をすることができます(民法第709条)。



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