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特許とは

特許とは、発明の保護と利用を図ることを目的として定められた、発明を保護するための制度です。

発明を完成させたときに、特許権という独占的な権利を得たいと考えたら、願書に、発明の内容や権利を得たい範囲を記載した明細書、必要な図面、要約書を、特許庁に出願することが必要です。

特許権を取得した際には、その特許発明の実施をする権利を占有し、他人が実施するのを排除したり、他人に実施権を許諾したりすることができます。

したがって発明をしようという意欲が生まれることとなり、技術の進歩が進み、産業の発達に結びつくことを期待して、この制度があるのです。

特許出願の審査

特許法で保護される「発明」とは、「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」です(特許法第2条)。したがって永久機関のように自然法則に反するものや、計算方法、ゲーム方法にように人間の頭の中で人為的にとりきめられた法則などは、法律でいう発明ではありません。

特許権を得るには、出願書類、特に明細書によってその技術内容を一般に公開しなければなりません。そこで第三者は他人の出願した発明の内容を知ることができ、次の新しい技術を開発したり、他人の発明を実施させてもらうよう交渉したり、特許権の権利の期間が過ぎた後には自由に実施したりすることができます。発明の保護と利用が図られているのです。

特許権は独占的な強い権利ですから、あらゆる発明に権利を与えてしまうと、経済活動において困ったことになります。そこで特許出願は特許庁の審査官により審査され、審査を通ったものだけが特許査定となり、特許料を納付して初めて特許権が発生します。

審査には、発明の「新規性」(新しい発明)、「進歩性」(容易に考えつかないこと)、「先願であること」(同じ出願が前になかったこと)、明細書の記載内容が法に合致していること(発明の内容が開示され、記載不備でないことなど)、その他の要件を満たしているかどうかなどが判断されます。

特許出願の審査基準

新規性

特許法第29条第1項(特許の要件)では、下記の通りに規定されています。

第29 条 産業上利用することができる発明をした者は、次に掲げる発明を除き、
その発明について特許を受けることができる。
一 特許出願前に日本国内又は外国において公然知られた発明
二 特許出願前に日本国内又は外国において公然実施をされた発明
三 特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた発明

これを新規性といいます。

進歩性

特許法第29条第2項では、下記の通りに規定されています。

2 特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が前項各号に掲げる発明に基いて容易に発明をすることができたときは、その発明については、同項の規定にかかわらず、特許を受けることができない。

これを進歩性といいます。

特許審査基準に基づく審査

審査官は、請求項に係る発明の新規性、進歩性等の判断をするにあたっては、先行技術調査を行い、審査基準に則った審査を行います。

審査官は、先行技術調査をする際は、まず本願の請求項に係る発明から、先行技術調査の対象となる発明を決定します。
次に、の発明の詳細な説明に、関連する先行技術文献に関する情報が開示されている場合や、外国特許庁の調査結果・審査結果、登録調査機関の調査結果、情報提供により提供された情報が確認できる場合には、これらの内容を検討した上で、先行技術調査を行います。

審査官は、先行技術調査の結果に基づき、新規性、進歩性等の判断を行い、新規性、進歩性の要件を満たすか否かの判断を行います。

拡大先願

第29 条の2 特許出願に係る発明が当該特許出願の日前の他の特許出願又は実用新案登録出願であつて当該特許出願後に第六十六条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した特許公報(以下「特許掲載公報」という。)の発行若しくは出願公開又は実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第十四条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した実用新案公報(以下「実用新案掲載公報」という。)の発行がされたものの願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面(第三十六条の二第二項の外国語書面出願にあつては、同条第一項の外国語書面)に記載された発明又は考案(その発明又は考案をした者が当該特許出願に係る発明の発明者と同一の者である場合におけるその発明又は考案を除く。)と同一であるときは、その発明については、前条第一項の規定にかかわらず、特許を受けることができない。ただし、当該特許出願の時にその出願人と当該他の特許出願又は実用新案登録出願の出願人とが同一の者であるときは、この限りでない。

関連条約

特許権をはじめとする知的財産権は、世界各国が各国ごとに、それぞれの法律を持っています。日本の法律は日本国内でのみ有効で、外国には効力が及びません。

そこで、外国で特許製品を製造販売したり、商標の使用をするためには、それぞれの国で出願をし、知的財産権の権利を取得しなければなりません。そうした事情は、他の諸外国の国民にとっても同じです。

そこで、知的財産権の国際的な保護を図るため、世界の130カ国以上が同盟を結んでいるパリ条約や、特許について方式統一を図るための特許協力条約(PCT)など、様々な条約が存在し、改正を重ねてきています。

[パリ条約]

工業所有権の保護のための条約で、特許、実用新案、意匠、商標、サービス・マーク、商号、原産地表示又は原産地名称、不正競争の防止について規定しています。1883年3月20日に署名されて以来、改正が重ねられ、現在はストックホルム改正条約が最新のものとなっています。各国ごとに制度の異なることを認めつつ、各国間の調整を図り、工業所有権の国際的な保護に貢献しています。この条約では、同盟国の国民は他の同盟国において、その国の国民と同一の条件で発明などの保護が受けられることとして、同一の出願を各国にする場合の優先権制度、各国の特許はそれぞれ独立であるという原則などを規定しており、わが国は1899年(明治32年)に加盟、現在130カ国以上の国が加盟しています。

[特許協力条約(PCT)]

パリ条約上の特別の取り決めで、国際的な特許出願について、特許の方式の統一と、調査の便宜、情報の提供、技術援助などを目的とする条約です。1970年(昭和53年)公布され、わが国では同年10月から施行。同盟国の1国に出願をすれば、出願人が指定した複数の国について同時に特許出願したものと同様の効果が得られます。国際出願制度を主に、国際調査制度、国際予備審査制度などについて規定しています。


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