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「ミレニアル企業家の新モノづくり論」 -2017年11月17日

「『AIで弁理士が失業』に異議 『そんなに単純な仕事じゃない』 日本弁理士会の梶副会長」(11/16(木) 16:01配信 ITmediaNEWS)などという記事を読みましたが、一読してかなり情けない気分になりました。ただ、「すぐに代替されることはない」という結論にはうなずける部分もあります。

ところで私は、AIが仕事を奪う、AIで無くなる仕事といったような本や、人口減少、地方衰退と言った本を、ここのところ何冊も読みました。しかし、べつにAIを引き合いに出すまでもなく、無くなった仕事はいくらでもあります。写植屋さん、トレース屋さん、ポケベル、ダイヤルQ2。
しかしこの手の本は皆、AIに置き換わる頃にはとっくに引退している著者が書いているもので、ちっとも面白くありませんでした。

実際にそのような局面に対峙するであろう、これからのビジネスを担う著者の本の方が面白いし、新たな視点に気づかされます。

「ミレニアル企業家の新モノづくり論」(仲暁子著 光文社新書)は、
「このインターネットとミレニアル世代という二者は、ニワトリとタマゴのような関係だ。」
「したがって、この2つを切り離して論じることには意味がなく、そこで生まれている現象を『トライブ化(共同体化)』とし、第1章ではトライブ化について行けていない日本、第2章では進取の気性に富むが自身も試行錯誤の最中にあるミレニアル世代のトライブ探しについて提言し、第3章では彼らを消費者・労働者として見たときに新しく事業をつくる人が取るべき戦略について、第4章では私の事例を織り交ぜつつ生産者としてのミレニアル世代のリアルな姿を、第5章ではそれらを踏まえた日本の未来について考えていきたい。」
という本です。

若くして仕事探しに関する特徴的なSNSを立ち上げ、株式会社ウォンテッドリーを株式上場させた著者によって、ごく普通の新書でありながら、世代論からインターネットビジネス、人材論、国のあり方にまで言及がなされる本の内容には、論評しがたいものがありますが、ここのところ何度もつい読んでしまいます。

ちょっと抜き書きしてみると、

「つまり、あなたが思っているほど世界では誰も日本の漫画なんて読んでないし、アニメも見てないし、クールだとも思ってないし、せいぜい干からびた寿司をいわゆる日本の寿司だと思ってスーパーで買っている程度だ。何度も言うが日本なんて誰も注目してないし、世界最大の旅情報サイト・トリップアドバイザーの2017年の人気観光地ランキングでもトップ25位にも入っていない。」

「ビッグデータ、人工知能、ロボット、IoT、3Dプリンター、フィンテック…と限りなく続いていく。多くの人は、そのバズワードに飛びついてビジネスを始めようとし、学者は若干無理やり、実在するプレーヤー(企業)の名前を挙げてそれらの現象を説明しようとする。どちらも事後的だし、そういう輩が出る頃には、その事象は賞味期限切れになっていることが多い。」

「普通の転職サイトだと、転職者はエントリーしたあとは履歴書を持参して、突然面接に入る。採用担当者も候補者側も、思ってもないことをお互いに言い合い、騙し合いをする。茶番だと思う。」

「いつの時代も破壊的イノベーションが10代や20代から生まれ、老いると世代交代するというのは、やがて硬直化し賞味期限切れしていく価値観から、一度染まってしまった個人が脱却できなくなるからだと思う。だから、アンラーニングできるかどうかというのは、いつまでも若くいられるかどうか、につながる。」

「それと一緒で、政策や行政はいつも半周、場合によっては一周遅れだ。それよりも、今この瞬間に『自分』が異端となり、データの異常値になるように、考えて行動してみて欲しい。」

「もし読者がミレニアル世代で、この不確実な世界を幸せに生きたいなら、己を知ることが何より重要。未来をガイドしてくれる人事部なんてないし、国家にも頼れない。さらに言うと、己の快で継続的自立を手に入れることこそが幸福への近道だ。」


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