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「生ひ立ちの歌」中原中也 -2004年08月07日
Ⅰ
幼年時
私の上に降る雪は
真綿のやうでありました
少年時
私の上に降る雪は
霙(ミゾレ)のようでありました
十七-十九
私の上に降る雪は
霰(アラレ)のやうに散りました
二十-二十二
私の上に降る雪は
雹(ヒョウ)であるかと思はれた
二十三
私の上に降る雪は
ひどい吹雪とみえました
二十四
私の上に降る雪は
いとしめやかになりました・・・・・・
Ⅱ
私の上に降る雪は
花びらのやうに降つてきます
薪の燃える音もして
凍るみ空の黝(クロ)む頃
私の上に降る雪は
いとなびやかになつかしく
手を差伸べて降りました
私の上に降る雪は
熱い額に落ちもくる
涙のやうでありました
私の上に降る雪に
いとねんごろに感謝して、神様に
長生したいと祈りました
私の上に降る雪は
いと貞潔でありました
Posted at 22:17 | 生い立ちの記