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音響商標、におい商標 -2008年08月19日
音・においを商標に、特許庁検討 2010年の法改正目指す
との報道がありました(日本経済新聞)
特許庁が、音やにおい、動きなど新しいタイプの商標を導入する検討に入るというものです。これらは、音響商標、におい商標などといわれ、制度として導入している国もあります。
商標とは、よく「○○○」という言葉が商標登録された、などと報道されることから、ある言葉の使用権を独占するもののように思われがちですが、言葉を独占するものではなく、あくまでも商品名やサービス名称など業務について使用することに関し独占をするものです。
そうすると、音響やにおいが、業務について、それを表示するものとして使用される場合とはどういうことが考えられるのでしょうか。ちょっととまどってしまう点もあります。
特許庁、音やにおいを商標登録できるように法改正へ
ある特定の業務について、文字(ネーミング)で示される場合・・・これはわかります。ルイ・ヴィトン、シャネル、クロネコヤマト、SONYなど、いずれもそうです。
音響が何かの業務を示すものとしては・・・たとえばCMの音楽のフレーズや
セリフの言葉、「It's a SONY」とか、ラジオ局のJ-WAVEのジングルなどでしょうか?
においが何かの業務を示すものとしては・・・思いつくのが難しいのですが、たとえば香水のにおい、香料のにおい?
臭い商標については世界でもまだ前例が少なく、これを保護対象として認めているアメリカ、オーストラリア、イギリスなどでも登録例は少なく、アメリカでさえ1990年に初めて登録されてからまだ数件しか許可されていない状況だとのこと。
本当にこれらの登録を認める必要があるのかどうか、これから審議されるのでしょうが、よく審議会などにありがちなことですが、初めに結論ありきで制度の導入が半ば決まっているのではと勘繰りたくなるところでもあります。